Document#1.2 UNIX時間の廃棄
1.2.-1 EPOCHの設定
27時間多時間群文明における時間基準点(EPOCH)は、 既存文明で広く用いられてきたを直接継承しない。 これは、過去の技術的便宜に由来する起点が、新たな文明設計において不要な制約となるためである。
文明EPOCHは、「27時間多時間群文明の開始を宣言した瞬間」を規範的起点として定義される。 これは歴史的事実というよりも、制度上の境界であり、以後の全ての時間表現はこの起点からの位相差として管理される。
EPOCHは物理的な天体現象と結びつけられず、純粋に論理的・制度的に規定されることで、将来の環境変化や技術更新に対する耐性を確保する。
1.2.-2 UNIX時間体系との互換性
UNIX時間体系は、本文明においては内部基準として用いられない。 しかし、既存の情報資産および外部文明との接続性を確保するため、変換可能な参照系として保持される。
文明時計はSI秒を基本単位として共有しているため、UNIX時間との相互変換は数学的には一意に定義可能である。 ただし、その変換結果は「同一の出来事を異なる文明位相で記述したもの」に過ぎず、意味的同一性を保証するものではない。
UNIX時間は「外部参照時間」と位置づけ、文明内部の意思決定やスケジューリングには直接用いない。
1.2.-3 既存ログ・履歴データの時間再マッピング
既存文明下で蓄積されたログ、履歴、記録データは、原則として破棄せず、文明時計体系へ再マッピングされる。 この処理は単なる時刻変換ではなく、出来事の位相的再配置として扱われる。
再マッピングでは、出来事発生時のUNIX時間を基点に、文明EPOCHからの相対位相を算出し、文明暦上の位置を付与する。 これにより、過去の出来事を新文明の時間構造の中で参照可能とする。
不確実なタイムスタンプや欠損を含むデータについては、「推定位相」「不確定位相」といった注記を付した上で保持し、正確性よりも可読性と文脈保持を優先する。
1.2.-4 外部文明との通信における時間変換規則
文明時計への適応が困難な人工衛星の内部クロックなどとの互換を意図する。
外部文明との通信においては、送受信時刻を必ず 「外部参照時間」と「文明時間」の両表記で記録する。 これにより、時間解釈のずれが事故や誤動作に直結することを防ぐ。
変換規則は一方向的な正規化ではなく、文脈依存の双方向変換とし、非ヒト知性による検証層を通過したもののみが文明内部の公式記録として採用される。