北村由衣のブログ

議員アンケートの結果公開

1年半ぶりに週5フルタイムの頭脳労働をしたら疲労がえげつないなぁ、と思っている北村です。こんにちは

全国会議員アンケートの結果公開

まだ回答受付期間中ですが、公開するウェブページが整ったので、お知らせします。
先月(22年5月)下旬に全国会議員宛にアンケートを郵送しました。その回答がちらほら返ってきており、 現在で5%の回収率となっています。

グラフ化はライブラリ「Chart.js」を使いました。 データ集計はExcel入力してCSV/JSONに出力、一覧生成はPHP、と、いろいろいじっています。

回答状況とか

通常国会が残り1か月を切ったタイミングで送付したので、議員の皆様お忙しいかなぁ?と思いましたが、 レスポンスが早い方は数日で返送くださいました。
回答を寄せてくださっている方は、比較的LGBT/SOGI当事者の権利問題に関心が高い方が多いようです。 問17の回答分布を見ても、 2/3の方が公約や活動実績として関連事項に言及しています。

このアンケートはLGBTに関する関心の度合い、国会法案への立ち位置に続けて、 トランスジェンダー当事者の置かれた現況への認識状況や、課題事項への意見を伺いました。 また、最後に清瀬市議会が採択した意見書の認知状況を伺いました。

性別欄

記入する必要性をあまり感じられないものの、未だ必須回答として用意されることの多いものです

男性 女性

個人的には、医学的目的のため身体性を重視する場合を除いて、 任意回答項目とし、また、社会生活を送っている性別での回答を認容する、 そんな社会的常識になればいいのになぁ、と思っています。
なくせ、というのはちょっと違うのかな、と。 趣味嗜好に性差を持ち込んで人の好き好みを批判するのには断固反対しますが、 社会的統計的観点で見たときには、解析する指標として性別という観点には持続性があるものと考えています。 ある年までは男女別だった統計が、ある時からその分別がなくなる、といった統計の不連続性にデメリットを感じます。 ただ、当事者として回答欄が「任意」であること、または社会的に「自認性」あるいは「社会生活を送っている性別」での 回答をすることがふつうのことである。そういう風な理解認識が広まればいいな、と思います。

アンケートでは、性別の回答を求める風習について2問、また、性別が記載される帳票について2問、伺いました。

  • 性別欄の廃止について
    • 行政における廃止の取り組みの進展状況の評価
    • 民間における状況の評価
  • 性別欄の存在について
    • マイナンバーカードの性別記載への立ち位置
    • 免許証に性別欄が無いことの認識

性別欄の廃止

有効回答の9割以上が取り組みの現況を「不十分」と評価しています。
それぞれがどの程度廃止されたら十分だと評価するのかは不明瞭ですが、 現況はまだまだである、との評価のようです。

行政の性別欄廃止について

また、民間における性別欄の取り扱いについては100%が「不十分」としています。
その性別欄は本当に必要なのか?という疑問の共有や、上述した性別欄に対する認識の社会的波及が必要そうです。

行政発行の身分証の性別欄

身分証明書、ってなんだろう、というところは、今回「犯罪収益移転防止法」の施行令に定められた 本人確認書類をベースに考えて抽出しました。

1点呈示で本人確認ができるものとして、公的に発行された写真付きの「運転免許証」および「個人番号カード」(マイナンバーカード)があります。
マイナカードは、券面事項が法律の条文で明記されており、その中に「性別」が含まれています。 制定時の国会討論(第189回国会衆議院内閣委員会第6号)で、性別欄の必要性に対する疑問が政府にぶつけられていました。 以下、議事録から抜粋します。

○時澤政府参考人
 個人番号カードには、番号法上、氏名、住所、生年月日、性別及び個人番号等を記載することとされております。
 個人番号カードは、個人番号の真正性を証明する手段であるとともに、個人番号を利用しない手続におきましても広く本人確認書類として活用されるものでありますので、番号法上、個人番号の利用が認められない者が個人番号カードの券面をコピーするなどして個人番号を取得してしまうことがあり得ること、こういったことを考慮いたしまして、個人番号は裏面に記載することとしておりまして、その他の記載事項につきましては表面に記載することとしているものでございます。
○池内委員
 性別を記載する必要があったとしても、裏面に記載するなどの配慮は行われましたか。
○時澤政府参考人
 さまざま検討いたしましたけれども、先ほど申し上げましたように、個人番号が券面に表記されるということが、これを裏面にすることによりまして、利用が認められない者が不正にコピーすることを避けるということから必要であるということもありますので、現在のような取り扱いをすることが適当ではないかということで、現在決めたところでございます。
(一部質疑省略)
○西村(康)副大臣
 性別を個人番号カードの表面に記載することについて、さまざまな議論があると認識をしております。個人番号カードを健康保険証としても利用することも想定しておりまして、その場合、保険医療の事務として性別の確認を行う必要があるということもございます。それから、今御指摘のあったような点も配慮が必要だということもあると思います。
また、後日である第8号でも同じ質問者から課題提起がなされています。
○池内委員
 この秋から運用が開始されるマイナンバー制度において、番号カードに性別記載が法定されています。十五日の委員会で、私は西村副大臣にこの性別記載の問題について指摘をしたところ、西村副大臣は、性別を個人番号カードの表面に記載することについてさまざまな議論があると認識をしております、性別をカードの裏側に記載するかどうかについてさらに検討を行っていく必要があるというふうに考えておりますと答弁されました。
 担当大臣である甘利大臣も同じ見解かどうか、お伺いします。
○甘利国務大臣
 個人番号カードは、個人番号の確認とあわせて本人確認を行うための書類でありまして、本人を特定するために、氏名、出生の年月日、男女の別及び住所、この四つの情報を記載することといたしているわけであります。
 性別を個人番号カードの表面に記載することについては、委員の御懸念を初めとするさまざまな議論があるものと承知をいたしております。裏面に書けという御主張と、一方で、マイナンバー自身が裏面に記載をされていますことから、性別を裏面に記載した場合に、性別の確認をする際にマイナンバーも見えてしまう、これを懸念する声もあります。表面四情報の管理とマイナンバーの管理はその重みが違うというところから、表側に情報を集めて、取り扱いを慎重にしなければならないマイナンバーは裏側で不必要に見られないようにしてほしいということだというふうに思っております。
 個人番号カードの用途も踏まえまして、性別をカードの裏面に記載するかどうかについては、さらに検討を行っていく必要があるというふうには考えております。
○池内委員
 個人番号カードを直接所管する総務省にも、この点を確認したいと思います。
○二之湯副大臣
 性別を個人カードの表面に記載することについては、いろいろな議論があることは承知しております。
 ただ、個人番号カードは健康保険証としても利用することを想定しております。したがって、その場合、医療保険の事務として性別の確認を行う必要がございます。
 このような状況を踏まえ、性別をカードの裏面に記載するかどうかについては、さらに検討を行ってまいりたいと思っております。

この中で私が着目している答弁が、各引用の塊で最後の方にある副大臣たちの答弁です。 カードを健康保険証としても利用することも想定しておりとあります。 この点、先日立憲民主党参院議員の石川大我氏主催での行政ヒアリングの場で厚労省およびデジタル庁の担当者に確認をとりました。
確かに今般、マイナカードに健康保険証機能を統合するサービスが始まっていますが、医療事務現場での運用について確認しました。

マイナンバーカードは顔認証機能付きの機械にかざすだけで、医療関係者がカード券面を確認することはない

という回答を厚労省から得ました。 また、上記国会答弁について、こちらから指摘をし、改めて券面への性別表記の必要性の有無を検討いただければ、と申し伝えました。

また、運転免許証について、所管の警察庁も同ヒアリングにお越しいただき、確認をしました。
運転免許制度が現行制度になった当時から、券面には性別欄が無いこと、および警察業務の現場において、 本人確認にあたり性別欄が無いことが支障となったような事例は把握していない、というご回答でした。

前段が長くなりましたが、この2つの券面の性別欄について、国会議員アンケートの回答を確認してみます。
問9 マイナカードの性別欄および、問10 免許証の性別欄がそれぞれ対応する設問です。

私は回答を受け付けるまですっかり忘れていたのですが、野党の中にはそもそもマイナンバー制度に反対である、という立ち位置の方々がいらっしゃいました。
マイナカードの性別欄について、「表記の必要性を再検討すべき」あるいは「印字を廃止すべき」が9割を占めています。 必要性を謳った政府答弁が実装によって崩れた今、この印字の必要性は問い質せる機会かもしれません。
また、免許証に性別欄が無いことの認識は、有無が半々に分かれました。東京出身の議員さんが免許持ってないです、と補足回答されたのは、 さすが東京暮らしだなぁ、と思いました。本筋から逸れますが。

マイナンバーカードの性別欄の要否について

免許証の性別欄有無について

通称名

アンケートでは、性同一性障害当事者が日常生活で用いる通称名について、 現況をどの程度認知されているか質問しました。
氏名を苗字と名前で切り分けてそれぞれ2問ずつ、変えて生活する実情の認知と、戸籍の法的な変更について、質問しました。

回答を寄せてくださっている議員さんがLGBT関連の問題意識が高いという部分が顕著に出てるのかな、と思っています。
名前を変える実情については87%, 苗字も変える実情については82%が「知っている」との回答でした

通称名で暮らすことについて

Twitterで通称名の陳情採択の件などの反応を見ると「苗字から性別のアウティングにはならんやろ」といった意見があります。 これは都会育ちで隣近所の人の名前や家族構成を知らずに生きてきた人たちの声なんだろうなぁ、と思っています。
私の生まれ育ち、20年を過ごした山梨という東京の隣にある田舎では、 私の苗字と生まれ年、それだけの情報で「あの辺りに住んでる、あの小中学校,高校に通ってたアイツ」と分かります。 そんな世界なので、私由衣が元の苗字のまま24歳の山梨生まれと分かれば、地元の井戸端でどんな話で盛り上がるか、知れたもんじゃありません。

戸籍名に紐づく人格は捨てないまま、地元への顔出し用に棚の隅っこに段ボールに入れて仕舞っておきつつ、 日常生活は北村由衣という私が生きている。そんな「通称名」の運用をしている私です。

清瀬市議会意見書

今年2-3月の第1回定例市議会で採択された陳情、およびそれにより発出された意見書について、知っているかどうかを質問しました。
問16 意見書の認知

清瀬市議会での意見書採択について

予想以上に知られているな、という感想です。有効回答の38%が「知っている」との回答でした。
朝日新聞の東京地域面掲載の記事、しんぶん赤旗の記事、あるいは党のLGBT関連情報網、どこから仕入れたのかは定かではありませんが、 LGBT関連への関心のある議員さんにはある程度認知されたものと思われます。 共産党議員さんの認知率が高いのは党機関紙赤旗の記事効果なのでしょうかね…?
(新聞掲載についてはこちらのブログ記事をご参照ください)

アンケートそのものについて

回答率5%, 所要の郵送料といったコストのわりにしょっぱい結果だなぁと思ってます。 来週(今週?)に連絡先が把握できる範囲で催促のFAXを出そうかなと思っています。 参院議員で改選対象の方々は大変お忙しいでしょうけども、夜8時からは街頭には出られませんもんね、 地元からご回答いただければ幸いです。

本調査の経費はおよそ6万円です。私北村由衣の個人負担で実施しています。 金銭的なお話になりますが、以下のリンクから1,000円単位で任意額をご支援いただけます。 なにとぞ。
(6万円内訳:郵送料56,000円、紙3,000円、インク代4,000円)

¥1,000~ オンライン決済で寄付する
100通以上で特定郵便区内という扱いを受けるために、東京駅前の中央郵便局まで段ボール2箱に詰めた708通の封筒を運び込んで、 これでも割安な郵送料だったんですが…数が…多い…

アンケート発送までの画像いっぱい


印刷したアンケート用紙の山。5000枚入りコピー用紙の箱使い切り

封筒に詰めて輸送用の箱へ。料金別納郵便にするので切手の貼付は不要

708通の存在感

東京駅前まで差し出しに行ったので、切符。記念スタンプいいね~

今回はここまで。


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